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藤原妹紅は死が怖い 古明地さとりは静が怖い 本居小鈴は識が怖い レミリア・スカーレットは蝕が怖い アリス・マーガトロイドは心が怖い

※キャラクタークリックで各巻一章のサンプル(Pixiv)へ飛びます

「知ってしまうのだ。彼女たちの絶望を――」

 死を恐れる蓬莱人。
 静寂を疎む覚。
 知識に弄ばれる判読眼。
 過去に蝕まれる吸血鬼。
 求めた心に怯える人形遣い。
 本来であれば彼女たちが恐怖することはなかったソレ。
 だが、自分が認識していたソレに裏切られたときにこそ、人はソレを「最も恐ろしい」と感じるのだ――。
 少女たちの抱く「最も恐ろしいもの」に着目した各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ総集編。
 購入特典として電子版と引き換えられるシリアルコード付き。

藤原妹紅は死が怖い

 人間と妖怪が共に暮らす地――幻想郷。その非常識の存在として、不死身たる人間・藤原妹紅は終わることも終えることもできない永遠の生を過ごしていた。
 その日は確かに具合が悪く、自慢の炎を生み出すことも出来なかった。だが寝れば治る、治らぬ道理はない……そんな不死身の希望的観測は、千余年の時を経て初めて打ち壊される。
 私の体はどうなった?
 もしかして私は死ぬのでは?
 永い間忘れていた死への恐怖に為す術もなく翻弄される妹紅。その姿は幾多の妖を屠り、里の人間から頼られるようになったそれとは程遠かった――。

古明地さとりは静が怖い

 忌み嫌われた妖怪が住まう地底。心が読めてしまう妖怪・古明地さとりは止むことのない他者の心の声に辟易しながら暮らしていた。
 冬のある日、事故によって第三の目を負傷してしまったさとりは、自身の読心能力が失われたことに気づく。完全なる静寂に、幸せな人生の到来を予感するが、それは不幸の始まりであった。
 あの子は何を考えているの?
 どうしてそんなことをするの?
 読めない心が心を蝕んでいく。
 当たり前だった日常が崩壊し、理解できないもので溢れかえった世界を前に、さとりは悲劇の舞台で踊り狂う。

本居小鈴は識が怖い

 ある日、鈴奈庵に一冊の奇妙な本が持ち込まれた。
 どんな文字で書かれた本も読み解く能力を持つ小鈴にすら読めないその本は『無題』と名付けられたが、文字通り読まれることなく引き出しの奥に仕舞われ、そして忘れ去られた……。
 それからしばらくして、小鈴に二つの異変が襲いかかる。
 妖怪の悪夢に連日魘されること。
 読めるはずの妖魔本が読めなくなっていったこと。
 蝕まれる精神と喪失の恐怖に駆り立てられ、ただの落書き帳と化していく本たちを必死に調べる小鈴。
 そして残酷な真相に辿り着いたとき、抗いようのないこの異変の本質に絶望する。

レミリア・スカーレットは蝕が怖い

 幻想郷は紅魔館に住まう強大な吸血鬼レミリア・スカーレットは、友人の魔女の戯れによって、性格まで鏡写しになった己の偽物を生み出されることになる。わがままな本物と違い、素直で勤勉な偽物は紅魔館に受け入れられた。レミリアはただそれに対し、不快と不安を覚えるしかなかった。

 偽物が消えてからしばらくして、レミリアに不調が生じた。陽がより痛い、魔力が少ない。ほんの些細なことだが、自分から力が失われていた。

 困惑するレミリアは、周囲を頼ることなく原因を求めて己の運命を覗く。だが得られたのは、紅魔館の皆を呪いながら消滅する自分の未来。それは黒死の悪魔と呼ばれていた『吸血鬼になる前のレミリア』という過去に裏打ちされた、避け得ぬ末路だと後に知ることになる。

アリス・マーガトロイドは心が怖い

人形遣いアリス・マーガトロイドは、完全自律人形を目指し一体の人形を作り上げた。 それは外見から質感、そして心まで模した、アリスそっくりの人形であった。 稼働にも成功し、自分で考え行動する人形に満足しながらアリスは観察実験を続けた。
 しかし次第に人形の行動が不穏なものになっていく。
 最初はただの悪戯だった。それがアリスを害するものへとエスカレートし、実験を終わらせなければ、と決意するアリスに大怪我をさせるに至る。
 どうしてこんなに敵意を持つのか。
 私を顔をした人形の考えが分からない。
 やがてアリスは辿り着く。真に恐ろしきは、双子のようにそっくりな人形ではないことに。この実験に終わりなどないという結論に。
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初版:https://taimen.jp/view/?item_id=1185
第二版:https://taimen.jp/view/?item_id=1247